南禅寺だより―ノンフィクション作家 柳原和子さんの公式ホームページです―

top > profile > message

[ノンフィクション作家]という肩書きで仕事をしてきていながら、ふりかえってみると、ノンフィクションどころかじつは現象や人の言葉尻の片鱗をかすめ採ったにすぎなかったのではないか、との思いが年輪を積み重ねるごとに強くなってきています。
 そうして描いてた宇宙は実態、真実とはほど遠い虚構だったのでは? 作品化、といえば聴こえはいいですが、商品化、既存のメディアで仕事をし、自活してゆくことへの夢、という枠に自分自身の表現までを押し込めてきたようにも思います。そうした経緯がわが実態=表現までをも寸断し、細切れにし、しかもこの年輪を経て思いかえしてみれば、浅薄としかいいようのない半端で世俗的な善悪という基準をそこにもちこんだがゆえに、本来そのものが内包していた善悪はもとより、かつて自在であったのびやかな可能性までをも萎縮させたのではないか? そこから脱皮する試みを、厳しい批評眼を失うことなく、しかし温かく待ち続けてくれていた数少ない、しかしだからこそ貴重な読者に向けた会員制のこのホームページでささやかに展開してゆきます。

失敗を恐れぬ、挑戦となるかどうか。会員以外の訪問者にはわたしの残日記などを、どうぞ。