南禅寺だより―ノンフィクション作家 柳原和子さんの公式ホームページです―

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▼作家 黒川 創

 柳原和子さんへのメッセージ 〜1月26日の会に寄せて〜

 きょうは素敵な会をありがとう。

 急に指名された気恥ずかしさでイイカゲンな毒舌でお茶をにごしてしまったのですが、作家・柳原和子の評価についてひとこと申し述べるべきだったと悔やまれて、補足します。

 災厄をこうむった作家にも、その前史があったということを時どき考えます。たとえば「原爆作家」と呼ばれる太田洋子は、四五年八月六日の被災以前は、明るい明るい作風の作家だったわけです。

 でも柳原さんの場合は、それとは違って、発病以前の「カンボジアの24色のクレヨン」から、最近の仕事まで、ずっと一本の芯として通った仕事をなし遂げたと思います。

 なぜそうなったか、ぼくにはわかりませんが、これは意志的な仕事で、作家として誇っていいことだと思っています。

 今日はお会いできてよかった。またお会いできれば。

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